日本独自の絵画とは?様々な種類の日本絵画を紹介!
2020/02/10
絵画をはじめとした「芸術の都」といえば、パリをはじめヨーロッパの都市を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、日本でも日本独自の絵画が発展してきました。日本の絵画といえばある程度イメージがわくものですが、実は様々な種類があります。日本の絵画とその種類について調べてみました。
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「日本の絵画」は平安時代から
島国である日本は、昔から大陸の影響を受け、文化なども輸入してきました。日本では先史時代から絵図を描く習慣はありましたが、本格的に絵画の発展が始まったのは6世紀半ばの仏教公伝がきっかけです。大陸から仏教絵画が輸入され、日本でもそれを真似た中国様式の絵画が描かれるようになりました。
絶大な影響力を持っていた当時の中国(唐)ですが、やがてその影響力は衰え、日本においては平安時代に遣唐使が中止されるなどして唐の影響を脱し、日本独自の文化が栄えるようになりました。それによって、中国絵画あるいはその影響を受けた日本絵画を「唐絵(からえ)」と呼び、それに対して日本的な主題で描かれた「やまと絵」が生まれました。
日本的な仏教絵画も描かれましたが、物語や説話などを題材にした巻物形式の作品「絵巻物」も制作されるようになりました。代表的な作品に「源氏物語絵巻」があり、絵巻物は室町時代まで盛んに制作されました。また、直接本人をみながら写実的に描く肖像画「似絵」が、平安時代末期に生まれ、鎌倉時代で盛んになります。
室町時代における水墨画の台頭
墨の濃淡やにじみ、かすれなどによって表現された絵画を「水墨画」といいます。唐の時代に中国で生まれた水墨画は、鎌倉時代に禅宗と共に日本に持ち込まれ、禅僧の修行のひとつとして制作されました。やがて室町時代に入ると禅宗は時の将軍家に保護され、多くの画僧や画人たちにより水墨画は全盛期を迎えます。
当初の日本の水墨画は禅の思想を表すものや仏教関連の人物画、気高く美しい花々を描く花鳥画などが多かったのですが、15世紀には雄大な自然をテーマとする「山水画」が盛んに描かれるようになりました。また、同じく15世紀の初め頃から描かれるようになったのが、長い掛け軸に水墨画と漢詩の書の両方を描く「詩画軸」です。
これは詩・書・画が一体となったその境地を表すものです。15世紀前半においては、山水に囲まれた静謐な書斎で過ごすという文人の理想を描く「書斎図」といわれる詩画軸が多かったとされています。
絵画の種類が多様化する江戸時代
室町幕府が滅ぶと、絵画を含めた日本美術は新たな局面を迎えます。武士たちの権力の象徴として、襖や屏風などに豪華な障壁画が描かれるようになりました。障壁画自体は昔からありましたが、この時代の障壁画は巨大化・華美化が進んでいます。一方、それまで仏教の色が強かった日本絵画の世界に、庶民の普段の生活を描く「風俗画」が登場します。
江戸時代には大きな戦乱もなく庶民の生活も安定してきていたため、彼らが芸術に触れる機会が増えたのです。権力者の御用絵師である狩野派に限らず、在野の人々が様々な名作を残しました。江戸時代には、狩野派など師弟により受け継がれる流派とは対照的な「琳派」の絵画が生まれ、現代でも人気を博しています。琳派は、時代や場所、身分を超えた「心の師」として他者の絵画を模倣し、そこに画家自身のオリジナリティを加えることで発展してきました。
金箔・銀箔を背景に使用するきらびやかさをもち、高い装飾性・デザイン性があるのが特徴です。また、絵を専門としない知識人たちも、唐の時代に学んで精神性に重きを置く「文人画」という絵を描くようになります。一方で西洋由来の技法を取り入れる「写生画」も描かれるようになりました。このように江戸時代には様々な種類の日本絵画が生まれましたが、江戸の庶民の大人気を博し、日本の絵画を語る上で絶対に外せないのが、風俗画の一大ジャンル「浮世絵」です。
浮世絵にも種類がある
江戸時代に生まれた浮世絵は、その名の通り当時の浮世=俗世を表したもので、「美人画」「役者絵」「芝居絵」「名所絵」「春画」など、非常に多くの題材が描かれました。最初期の浮世絵は画家が筆を走らせる肉筆画でしたが、やがて浮世絵の手法は木版画へと移ります。これにより浮世絵の大量生産が可能となり、芸術を楽しむ余裕が出てきた大衆は浮世絵を安価で手に入れることができました。
初期の浮世絵は単色刷りであり、これを「墨摺絵」といいます。黒の墨一色の版画に手で赤色を付け加える「紅絵」「丹絵」や、紅絵の黒い箇所に漆を塗ることで光沢を出す「漆絵」など、手作業による部分は残っていました。しかし、紅絵にさらに数色を加えて刷る「紅摺絵」が生まれ、さらに18世紀の半ばを過ぎると「錦絵」という多色刷りの手法が編み出され、鮮やかで美しい浮世絵文化が花開きます。
錦絵では、下絵師・彫師・摺師らによる分業により浮世絵が制作されました。ところで浮世絵は、日本が西洋との交流を持つようになったときに、他の工芸品と共に西洋に持ち込まれます。浮世絵はフランスで大注目を浴び、ゴッホなどの高名な画家たちに大きな影響を与えました。
洋画に対する「日本画」の誕生
外来の絵画に対して日本独自の絵画を区別するという「唐絵」と「やまと絵」のような流れは、日本が西洋と交流を持ったときにも起こりました。西洋からもたらされた油絵などの絵画「洋画」に対して、日本の伝統の技法で描かれる「日本画」という概念が生まれます。
日本の美術を高評価していた東洋美術史家・フェロノサは、日本画を「写真のような写実を追わない」「陰影が無い」「輪郭線がある」「色調が濃厚でない」「表現が簡潔である」などと特徴づけました。また、岩絵具や和紙などの日本の伝統の画材を使うのも特徴です。日本画という概念は明治維新以降の洋画に対抗してのものなので、江戸時代の画家は日本画家ではないといえます。
明治以降の日本では、お雇い外国人などに洋画を学ぶ日本人画家や、日本画家でありながら洋画の技法を取り入れる画家もいました。現代においては芸術は国の垣根を超え、現代美術の分野で活動する日本人画家も多くいますが、日本画家として活躍する画家もいました。最近では現代美術家の天明屋尚が「ネオ日本画」を標榜し、画材にとらわれない「現代の日本画」を表現しようと活動しています。
まとめ
今までなんとなく「日本っぽい絵」で一括りにしていた日本の絵画には、実は様々な種類があることを知れて嬉しく思います。日本の歴史と合わせて学ぶと、もっと楽しいかもしれませんね。