ちょっと変わった観葉植物10選!珍しい特徴と上手な育て方
2020/03/04
世界中にはたくさんの面白くて珍しい植物が存在します。日本では環境的に育てることは難しい植物は数知れず、絶滅危惧種に指定されているため、まず手に入らない貴重な植物も存在します。珍しい観葉植物、ちょっと変わった姿をしている観葉植物が自宅にあったら…きっと生活もかなり潤うのではないでしょうか。もちろん、初心者さんには育てるのは難しいかもしれませんが、植物にはこんなに珍しいものがあるのだと知るだけでも楽しめると思います。今回は、一般ではお目にかかることができないような観葉植物から、自宅でも育てることが可能な観葉植物まで、ちょっと変わった観葉植物についてまとめてみました。
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変わった葉っぱを持つ観葉植物
植物にはたくさんの種類があり、種類が変われば当然姿形も変わってきます。ここでは、一般的な植物の葉っぱとは一風変わった形の葉っぱを持つ植物をご紹介いたします。
・子宝草 …この植物は一般的な植物と違って、自分の葉っぱに子株を残す観葉植物。葉の縁が、フリルが付いているような、デコレーションをしたような、とてもかわいらしい姿をしています。ベンケイソウ科のカランコエ属に分類される常緑多肉植物です。子宝草と呼ばれるセイロンベンケイ(マザーリーフ)、葉の先端に子株を付ける特徴をもつ錦蝶、セイロンベンケイと錦蝶の交配種である不死鳥など、種類も豊富です。葉の縁に付いている子株が土に落ちると根を伸ばして生長し、また子株を付けていきます。このように繁殖力がとても強いので、子孫繁栄や子宝守りとして産婦人科に置いてあったりもしますし、実際に育てていると妊娠するというジンクスもあるため、子供を望む人に人気の植物でもあります。育てる時は、日当たりの良い場所に置き、寒さには弱いため冬は最低気温が10℃くらいの環境下で育てます。水枯れに弱いので春~秋は土が乾いていたらしっかりと、冬は月2回程度の水やりをしてください。
・スパイラルグラス …南アフリカが原産のとても珍しい植物です。その名の通り葉がグルグルとカールをしています。草丈が15㎝ほどに生長し、春から夏の終わりにかけて白や紫の花を咲かせます。明るい日陰におき、直射日光は葉焼けを起こしますので避けるようにします。耐寒性も低いため冬~春にかけては窓際から離し、部屋の温度が5℃を下回らないよう、暖かくて日当たりの良い場所において管理します。肥沃で腐植質な水はけの良い土壌環境を作るととてもよく育ちます。日本でも流通している数が少ないため、入手困難な観葉植物です。
・アルブスカ・スピラリス・フリズルシズル …コイルのようなグルグルと渦を巻いた形の葉をしています。「ナンジャコレ」という面白い別名もある球根植物です。春になると黄色い花を咲かせ、その花からはバニラのようにとても甘い香りがします。この植物は、秋から冬が生長期なので日当たりの良い場所に置き、春は生長がゆっくりになります。そして、植物としては珍しく夏には休眠期を迎えるので涼しい日陰で管理をします。寒さには強いですが、霜が当たると株が弱ってしまうので気を付けましょう。最低気温が0℃を下回るような場所では冬でも日当たりの良い室内において管理した方が◎です。乾燥を好み過湿状態を嫌うので、生長期でも土の表面が完全に乾いてから水を与えます。水の量は一般的な植物の半分くらいの水量でOKです。花が咲き終わった頃から水を控えていき、夏には完全に断水して管理します。日照不足は葉の巻き具合が緩くなって伸びてしまうので、可能な限り屋外で育てるようにします。
ちょっと変わった花が咲く観葉植物
植物が花を咲かせるときは、ある程度の期間開花していたり、花の構造や見た目が似たような形をしていたりします。しかしここでは、それらとは全く正反対のとても興味深い花を咲かせる植物をご紹介いたします。
・月下美人 …月下美人はサボテンの仲間で、「女王花」とも呼ばれるほど豪華な白い花を、たった一晩だけ咲かせます。この一晩を逃すと、次に咲くまで花が見られないので開花を見られるのはとても貴重です。一般の家庭でも花を咲かせるまでに育てるのは難しいため、月下美人が咲く時には、月下美人の鑑賞会などがあちらこちらで催されていたりもします。この花を咲かせるには、気温、光量、株の栄養状態などのバランスがきちんと整っていないと咲かないため、管理がとても難しいサボテンなのです。うまく育てるには、生長期の5~9月には、葉焼けを起こす直射日光は避け、半日陰に置いてたっぷり日光浴をさせます。寒さには弱いため、冬は最低8℃~10℃の気温が必要です。月下美人は水が豊富なジャングルの場所に自生しているので、他のサボテンよりもたくさんの水を必要とします。水やりをするときは、土の表面が乾いたらたっぷりと与えてください。
・ドラクラ・シミア …ラン科ドラクラ属の中の一種。花の姿がサルの顔に似ているためモンキーオーキッドとも呼ばれます。学名のドラクラとは吸血鬼のドラクラ伯爵からきており、植物とは思えない顔(花)があることから名前が付きました。南米のエクアドルやコロンビアの山岳地帯が原産で、海抜1400~2600mの地域の木や岩の上に自生しています。日陰の湿った風通しの良い場所を好み、耐寒性があるが霜には弱い。そのため、冬場は最低でも2℃以上の温度が必要で、生育適温は18~25℃。花は5日程度しか開花しないので、花が咲いた姿はとても貴重です。ランの種子は一般的な植物の種子とは構造が異なるため、種子があっても自力で発芽することができません。発芽させること自体も専門家ではないと難しい植物とされています。苗で売っていたりもしますが、ランは管理が難しい植物の一つでもあり家庭で育てるのはとても難しいですが、このモンキーオーキッドはさらに難易度が上がるため、店頭では滅多に市販されません。ランの生育は、早いものでも苗の状態から3年ほどかかりますので、自宅で育てるには環境も時間も設備も整っていないと、花を咲かせられるまでに生育させることが困難です。植物園やラン展などでは見ることができますので、生で見たい方はそれらを訪れてみてはいかがでしょうか。
実をつける変わった観葉植物
果実を付ける樹木もたくさんの種類がありますが、もちろんここでも一味違った樹木をご紹介いたします。私たちが普段目にすることのない珍しいタイプなので、実際に見てみたくなったり育ててみたくなったりするかもしれません。
・シャボチカバ …ぶどうによく似た身を付けるので、原産地であるブラジルでは「ブラジリアン・グレープ」とも呼ばれます。淡いピンク色の葉が生長と共に緑色へと色付き、年に2~4回ほど白い花を咲かせて満開時にはほのかな甘い香りを漂わせます。幹や枝から直接花が咲き、その花が結実して2㎝ほどの丸くて濃い紫色の実になります。一般的な実のなる植物とは異なり、実が直接幹や枝に付くという珍しいタイプです。実を付けた姿や見た目はなかなかのインパクトなので、トライポフォビア(集合体恐怖症)のある人は気を付けてください!実が黒紫色になったら収穫のタイミング。収穫後は風味の劣化が早いので早めに食べるか、冷凍保存がオススメです。樹高は3~10m、耐寒性、耐暑性があるので育てやすいですが、乾燥には弱いので土の表面が乾いたら水やりをします。夏場の水切れには特に注意しましょう。日当たりの良い場所で育てると結実が良くなり豊作が期待できますよ。日本ではあまり栽培されていない植物なので、珍しい植物を育ててみたい人や実を食べてみたい人は育ててみてはいかがでしょうか。
・旅人の木 …芸術品とも言える、とても美しい実を付ける観葉植物です。樹木自体も観葉植物として希少なのですが、木の実もとても希少価値があります。旅人の木の実は「種の宝石」とも呼ばれ、染色したかのような本当に美しいコバルトブルーをしています。その色の美しさや高いインテリア性からネットでも木の実だけで販売されています。葉の形は櫂(オール)のような形をしていて、植物全体の形は孔雀の羽を広げたような、羽根つき扇子のような扇形をしています。変わった名前の由来はというと、葉柄に水分を溜めるため、乾燥した土地を旅してきた人たちが旅人の木の葉柄から水分補給をしたことが由来とする説や、東西方向に向かって木の葉が広がることから旅人がコンパス代わりにしていたことに由来する説があります。マダガスカルが原産なので耐寒性は低く、最低気温が10℃を下回るような環境では株が弱ってしまいます。特に冬場は室内の日当たりが良い場所で管理するようにしましょう。冬は日照不足になりやすいので、冬から春にかけては日当たりの良い場所で少しでも長い時間日光浴ができるように配慮します。生長期は水分を多く必要とするので、土の表面が乾いたらたっぷり水を与え、生長期が過ぎたら乾燥気味に育てます。水やりのタイミングは空け気味にして土の表面が乾いた後、数日たってから水やりをするようにしてください。
ちょっと変わった特徴を持つ観葉植物
植物なのにそんなことあるの!?と言わずにはいられないような、植物自体が植物らしからぬ、とても変わった特徴を持つ植物をご紹介いたします。
・リトープス …植物の中でも珍しい、脱皮をする植物。リトープスが脱皮を始めたら、株を弱らせないために脱皮した皮が自然にはがれるまでそのままそっとしておきましょう。緑、茶、クリーム、灰、濃紅色など多彩な色を持っており、生きた宝石とも呼ばれます。上手に育てるには水やりが肝心で、10~5月の生長期には土が乾いたらたっぷりと水を与えます。6~9月の休眠期は水を必要としないので、まったく与えないか、与えるとしても土が完全に乾燥してから与えます。脱皮時期は水やりの回数を少なくして、乾燥気味に育ててください。
・モンキーパズルツリー …名前には「サルが困る木」という意味があり、見るからに登るのが難しくて痛そうなギザギザした枝やトゲトゲの葉をしています。常緑樹で樹高が30mほどにまで生長しますが、ゆっくりと生長するので観葉植物として長く楽しむことができます。寒さに強く、成木なら氷点下15℃くらいまでOKですが、株が小さいうちは室内の暖かくて日当たりの良い場所で育てるようにします。夏場の水切れには注意ですが、土の水はけが悪いとか水を与えすぎると根腐れを起こしますので、土が乾いてからたっぷりの水をあげるようにします。絶滅危惧種に指定されるほどレアな観葉植物で市場でもまず出回らないので、目にする機会がほとんどない植物です。
お味のほどは?食べられる観葉植物
食べられる植物と言えば、まず野菜がそうですよね。日本でも、上陸したときにはかなりのブームになりましたが、サボテンであるアロエも食べられる植物で、今では食用として栽培もされています。ですがここでは、元々食用とされる植物とは違い、基本的には観葉ですが、実は食べられるんだよ!という意外性を持つ植物をご紹介いたします。いざという時の非常食にいいかも!?
・グラパラリーフ …この植物の最大の特徴は「食べられる」ということ。青リンゴのような爽やかでフレッシュな酸味があります。ビタミン、アミノ酸、ミネラル、カルシウム、マグネシウムなど多くの栄養が含まれているので、バランスよくたくさんの栄養素を摂ることができます。ベンケイソウ科の常緑多肉植物で、耐暑性があります。切った枝を土に差しておくだけで根を生やすほど、生命力が強いです。水はけの良い土を好み、育成適温は15℃~30℃なので日当たりが良く風通しの良い場所に置きます。耐寒性は低いので、秋の終わりには室内に取り込み、日当たりが良く暖かい場所で管理します。夏場は水やりの回数を少なくして、乾燥気味に育てましょう。
まとめ
観葉植物を育てていると、いつかは珍しい種類も育ててみたいと思ってきます。育てるのが難しい面もありますが、開花したときや実を付けたときは、感動で胸が一杯になるでしょう。難しいとされる植物を上手に育てられると、周りの人々に対しても細かい気付きや気遣いができるようになりそうですよね。あとは、育て上手になるので面倒見もさらに良くなりそうです。植物を上手に育てられるグリーンハンドを持つ方は、思い切ってチャレンジしてみてはいかがでしょうか。